筋膜リリース注射・ファシアリリース注射
◎筋膜リリース注射・ファシアリリース注射とは
筋膜やファシア(fasia)が萎縮・癒着している箇所を超音波エコーで見つけ、その部位に生理食塩水を注射することで、凝り固まった筋肉・筋膜を剥がし、動きを良くする治療です。痛みのある箇所をピンポイントで安全に治療することができます。
◎「筋膜性疼痛症候群(MPS)」とは
肩こりの原因の多くが筋肉を覆う「筋膜」が”硬くなる”、 “くっついて皺になる”ことで起こることが、最新の研究によってわかってきました。こうした筋膜の状態が引き起こす痛みなどの病気を「筋膜性疼痛症候群(MPS)」と呼びます。
筋膜は全身に存在し、肩こり以外にも、腰痛や五十肩、膝の痛みの原因になりますが、これまでは、原因がわからずに正しく診断されないことも多くありました。
◎「ファシア」とは
私たちの体の臓器や骨、血管、そして筋肉などをくまなく覆う「ゆるゆるな組織」のことをファシアと呼びます。主に「筋肉を包む膜」という意味合いで使われることが多い言葉なので、「ファシア=筋膜」と思われがちですが、筋肉以外の部位にも無数に存在するとされます。心臓を包んでいる膜、胃を包んでいる膜など色々な膜、すなわち、ファシアが存在しており、体のあらゆるものを包む膜の総称がファシアなのです。実は近年の研究で、このファシアこそが体を滑らかに動かすうえで重要な役割を果たしていることがわかってきました。
◎「筋膜リリース注射・ファシアリリース注射」とは
超音波エコーを用いると筋膜・ファシアが厚く重積している部分(白く見えます)を確認できます。また、筋膜・ファシアが癒着し、筋肉同士の動きが悪くなっている部分が確認できます。そこに、エコーガイド下に正確に注射針をすすめ、薬液を注入することによって、この癒着を剥がす(リリース)治療法です。
注射する薬剤は、人間の体に近い塩分濃度の『生理食塩水』を使用するため、アレルギーなどの問題もありません。浸透圧も高く、痛みや合併症・副作用のリスクもないため、安全に治療が受けられます(少量の局所麻酔剤を使用することもあります)。合併症・副作用のリスクがないため、妊婦の方や、ドーピング問題が関わるスポーツ選手の方も、安全に治療が受けられます。この治療法は、安全で 効果的であり、かつ即効性がある 整形外科治療の中で革命的な新しい治療です。
◎大切なのは、「正しい診断、正確な技術、リハビリテーション」
痛みの原因には、関節に由来する場合や、神経に由来する場合など、様々な原因が存在しています。MPSは筋膜に由来する痛みです。痛みの原因が筋膜に由来していない疾患に対して治療しても、効果は得られません。治療をする時には、痛みの原因が何なのか、正しく診断することが大切になります。
エコーガイド下筋膜リリースは、筋膜の癒着している場所をみつけて、ピンポイントの注射をする治療になるため、正確性が求められます。当院では最新かつ高性能な超音波エコー診断装置を導入しているため、よりクリアな画像での操作が可能です。
せっかく、筋膜の癒着が剥がれても、動かさないでいると、また同じように癒着が起こってしまい、症状が再発してしまいます。私たちは、主にスポーツ選手に対して筋肉を動かすリハビリを積極的に行なっているので、そのノウハウを活かすことによって、より高い効果を得ることができます。
※当院では保険診療内で、当該治療を実施しております。
※筋膜リリース注射は大坪医師、塩泡医師、北村医師の担当となります。担当医師のスケジュールをご確認ください。