膝の前方の骨が出てきて痛む
オスグット・シュラッター病
■どのような障害か
膝のお皿の下の骨(脛骨の一部)が徐々に突出してきて、痛みや熱感、腫れを生じてくるものをいいます。小学生から中学生にかけて、圧倒的に男子に多いのが特徴です。
スポーツで跳んだり、急なストップ動作をしたり、またボールを蹴る動作の繰り返しにより生じてきます。
運動を休止すると痛みは無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。成長期に出現する特徴的な痛みです。
■どうして起こるのか
オスグット・シュラッター病は、大腿(太もも)の筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)がお皿の骨(膝蓋骨:しつがいこつ)を介して膝蓋靭帯をけん引することにより生じる脛骨前面の軟骨の剥離です。
骨が急激に成長する時期は骨が柔らかく、膝を伸ばす力の繰り返し加わることにより、この成長軟骨部が剥離してしまいます。
■どうしたら治るのか
成長期の一過性の障害です。特に痛みの激しい急性期を除いては運動を全面的に休止する必要はありませんが、ジャンプやストップ動作は避けるようにします。
症状を悪化させないためには、大腿四頭筋の柔軟性を高めることが重要です。リハビリテーションで、膝周りのストレッチングやアイスマッサージなどを行いま す。個人差はありますが、痛みが完全に治まるには3~6ヶ月を要します。スポーツ前によく温め、スポーツ後にアイシングをするのも効果的です。 比較的症 状が強い場合には、治療用のベルト(オスグットバンド)を装着しながら運動するようにします。
ほとんどはこのような治療でよくなりますが、稀に高校生~大学生(発育期終了後)くらいになっても痛みが残存することがあります(→オスグット後遺症)。この場合は脛骨から剥離し、分離した部分の骨を手術で取り除くことでよくなります。